ナタデココラーメンで天下一品の称号を得たにゃるた、うるにゃん、amiぃ、チャウコの四人は新しくアルバイトを雇いました。にゃるにゅるさんという綺麗なお姉さんです。彼女が『マジでココ!』に入ってきてから売り上げはうなぎのぼり。これなら今年の土用の丑の日はうなぎだけじゃなくてメロンとスイカも一緒に食べられると密かに含み笑いをする日々なのでした。
しかし、梅雨を迎える前に不吉な足音が……
コンコン! コンコン!
うるにゃん「ねえさん大丈夫」
にゃる姉さん「大丈夫です。ちょっと風邪かもしれません」
コンコン! コンコン! ウッ……ゲボォ!
うるにゃん「ね、ねえさん・・・・!?」
おっさんみたいなえずき方でこれはただ事じゃないと、うるにゃんはにゃる姉さんを病院に連れて行くと緊急入院することになりました
うるにゃん「ねえさん……大変なことになっちゃったね」
にゃる姉さん「すみません。お店がたいへんなときに」
ガラッ
病室に入ってきたのは白衣の袖を肩までまくりあげて、グラサンをかけた病院の先生。
先生「コンニチハ ワタシ ロビン デス。センセー ヤッテマス」ペコリ
うるにゃん「先生、姉さんの病態は」
ロビン先生「ネーサン コロナ。ソレモ コロナヲ コエタ コロナ コロコロナ」
うるにゃん「コロコロナ?」
聞いたこともない病気でうるにゃんは困惑します
ガラッ
仕事が終わったにゃるた、amiぃ、チャウコも病院にかけつけました
にゃるた「にゃるにゅるさん大丈夫っすかー!」
にゃる姉さん「コンコンさんをだいぶこじらせたみたいです」
amiぃ「こんこんさんってあの?」
チャウコ「違うと思うよー」
うるにゃん「コロコロナだって」
にゃるた・amiぃ・チャウコ「コ、コロコロナーーーーー!?」
うるにゃんが知らなかっただけでコロナはコロコロナに進化して、世間ではより大変な騒動になっていたのでした
ロビン先生「シンパイシナイデ。ネーサン ナオリマス。デモ チリョウヒ イッパイ カカリマス。ニカゲツ。スリー ハンドレット ミリオン ダラー」
うるにゃん「え~と、スリーハンドレットミリオンダラーってことは300万ドル……えっ、4憶5千万円? これ計算合ってるのかな?」
ロビン先生「グッジョブ アッテマス ヨンオク ゴセンマンエン ゼンガクマエキン ゲンキン バライ」
にゃるた、うるにゃん、amiぃ、チャウコは現実味のない金額を聞いて、夢の中にいるような気分で病院を出ます。4億5千万円なんてナタデココラーメンを1万杯売っても足りません。
どうしたらいいんだろう?
そのとき一枚のチラシがペラッと四人の前に風に吹かれて飛ばされてきます。
うるにゃんはそれを掴んで読むと大声を上げました。
うるにゃん「これだーーーーー!」
チラシには最強対決というイベントを開催するので出店者を募集していると書かれています。賞金はなんと4億5千万円。
にゃるた「これで治療費払えるっスよー!」
チャウコ「でも、出場資格があるってー」
amiぃ「出店者は50名まで。出場資格は浜辺大作戦で勝つこと」
うるにゃん「浜辺大作戦ってなんだろう?」
にゃるた「うるにゃん、知らないんっスかー?」
浜辺大作戦とはビビッ島で行われる夏の祭典で、世界中の料理人が海の家で料理を腕を競い合うというイベントなのです。4人はさっそくナタデココラーメンで殴り込みにいくことにしました。ミシェランの星を取っているので浜辺作戦どころか最強対決もすでに勝ったような気持でいたのですが、いざ会場に行ってみるとビックリ。
粗末な海の家にある調理器具ではナタデココラーメンどころかただのラーメンさえ作れそうにありません。なぜなら海の家は暗黒軍団によってすでに破壊されていたからです。代わりに暗黒軍団の立派な海の家が1800件ほどずらっと並んでいます
陸軍大将「このイベントは俺たちの優勝だ」
うるにゃん「くっ、暗黒軍団め。卑怯な・・・・・」
リコ壱「ん、どうかしたのか」
うるにゃん「リコ壱さん! どうしてここに」
リコ壱「ちょっと海で歩こうかなってな」
リコ壱さんはAAAの頼れるお兄さんなのです。うるにゃんたちはにゃる姉さんがコロコロナにかかったこと、治療費が4億5千万円必要なこと、最強対決の賞金でそれは払えるけれど、そのためにはまず浜辺大作戦で優勝しないとならないのに、暗黒軍団に海の家を破壊されたことなどを話しました。
リコ壱「やれやれ、まだビビッ島に荒らしとかいるのか。ふんっ!」ビー!
リコ壱さんのメガネからビームが出て1800あった暗黒軍団の店のうち1500と少しが一瞬で砕け散りました。
陸軍大将「俺たちの海の家がー!」
リコ壱「あいつらの家から調理器具ひろってくるといいよ」
そう言っている間に残りの300軒も破壊されました。他の参加者も残骸に群がります
うるにゃん「あれ、でもずんどうがない。ずんどうがないとスープが作れない」
amiぃ「ナタデココ麺だけじゃ……」
???「私の出番のようだな」
海の方から声がします。うるにゃんたちがそちらへ目を向けるとバケツをかぶったらっこ先生が海から上がってきました。
うるにゃん「やった。海柱がいれば恐いものなし」
らっこ先生「俺は海柱じゃない」
らっこ先生は奥ゆかしい性格なのです。でもAAAの柱の一人であることは間違いありません。
らっこ先生「ラーメンが作れなければやきそばをつくればいいじゃないか」
うるにゃん「え、でも私たちラーメンしか作ったことない」
らっこ先生「若い時に修行で焼きそば屋で働いたことがある」
らっこ先生はそう言うと背中から͡コテを抜いて構えます。間違いない。これは過去に焼きそば屋で一流まで腕を磨いた腕だ。
うるにゃんたちは急遽ラーメンから焼きそばへ料理を変更します。
うるにゃん「ビンタで麺にコシを!」
amiぃ「リコ壱さんのビームで麺を焼いて!」
リコ壱(ビー!)
にゃるた「大量の海水で洗ってつるつるシコシコにするっスよー!」
チャウコ「トッピングはカツオのたたきでいい?」
うるにゃん「いいとおもう!」
らっこ先生「薬味にネギと玉ねぎ、それにショウガも切ろう」
ラッコ先生は背中から包丁を抜いて、ネギと玉ねぎ、しょうがを切ってお皿に撒きます。
らっこ先生「これでポン酢をかけたら焼きそばの完成だ」
にゃるた「すごいっスよー! さっきまでラーメン作ろうとしていたウチらが焼きそば作れたっス!」
チャウコ「すごいねー!」
こうしてうるにゃんたちは無事に浜辺大作戦で料理を出品できました。審査員たちはナタデココの焼きそばの味にビックリ仰天
審査員「こんなにおいしい料理を食べたことはない」
審査員「もはや焼きそばを超えた焼きそばだ」
審査員「これはもう優勝で良いと思う。つまりそれは優勝で良いということです」
うるにゃんたちは満場一致で浜辺大作戦で優勝します
うるにゃん「やったぜ」
にゃるた「うちら優勝したっス。信じられないっス」
amiぃ「でもまだ油断できないよ」
チャウコ「最強対決が残ってる」
にゃるた「そうだった……絶対に最強対決も勝って、にゃるにゅるさんの治療費をゲットするっスよ!」
うるにゃん・amiぃ・チャウコ・リコ壱・らっこ先生「おー!」
こうしてうるにゃんたちは最強対決の場へおもむくのでした
(つづく)